縄文時代の後に日本列島に訪れた弥生時代。
しかし、稲作が伝わったことでよく知られているこの弥生時代という時代が日本で訪れなかった場所があります。
それが北海道と沖縄です。
他の場所が弥生時代を迎えている中、北海道と沖縄はなぜ弥生時代がなかったのでしょうか。
そして、弥生時代が訪れなかったその2つの場所、それぞれの違いとは?
弥生時代がなかった?
弥生時代といえば、縄文時代のあとに訪れた時代です。
稲作が伝わった時代であり、人同士が争うようになった時代でもあります。
そんないろいろな特徴がある弥生時代は北海道と沖縄には訪れることはありませんでした。
北海道や沖縄にも縄文時代はありましたが、農耕社会であった弥生時代はなく、縄文時代に続き、食料採取の文化がより発達していったのが北海道と沖縄なのです。
海の狩りでのエキスパート
日本の多くの場所に弥生時代が訪れ、稲作が広まっていた時、北海道には稲作は広まりませんでした。
しかし、広がらなかった稲作の代わりに、縄文時代の頃のように食料採取の時代が続きます。
このころの北海道の時代を続縄文時代といいます。
当時の遺跡には彫刻を掘ったもりや槍などの骨角器が出土し、なかには熊の姿が刻まれたものも発見されています。
当時、北海道では熊も狩られ、食料となっていたのです。
しかし、そんな北海道でも特に発達したのが海や川での漁でした。
縄文時代にくらべ、本州が弥生時代の時の北海道は河や海の近くにある集落の数が増えています。
そして、北海道ならではのイルカやオットセイなどが獲物として狩られていたのです。
陸の大型動物、熊だけではなく、海にすむ海獣類も獲物としていた北海道の人々は海での狩りのエキスパートとなったのです。
交易で栄える沖縄
海での狩りのエキスパートとなった北海道の人々と同じように、沖縄も海の幸に恵まれていました。
特にブダイやベラなど、サンゴ礁の中でとれる魚がよく獲られていました。
そして、北海道と同じく沖縄にも弥生時代はやってこなかったのです。
当時の沖縄の文化を貝塚文化といいます。
そして、本州が弥生時代だった頃の沖縄を知るために押さえておきたいポイントがあります。
それが、沖縄が当時弥生時代の本州などの周辺諸国と交易を繰り広げ、独特の文化を作っていったということ。
当時、沖縄の人々は沖縄でよくとれた貝殻を装身具の素材ととらえたのです。
そしてそれを沖縄ならではの特産品ととらえ、周辺諸国に売り込んでいったのです。
弥生時代が訪れなかった北海道と沖縄。
縄文時代に続いて食料採取の文化が続いたそれらの地域はそれぞれ狩りに特化し、弥生時代の人々との交流を続けつつも、本州の人々との違いが大きくなり、それぞれの固有性を強めていったのです。