むにつれ、狩りや漁に使われる道具もその形や素材が変わっていきました。
では、弥生時代に使われていた狩りや漁の道具は一体どんなもので、どうやって使われていたのでしょうか。
骨製か、石製か
縄文時代に続いて弥生時代でもよく遺跡から見つかる道具で、狩りに使われたものがあります。
その道具の一つが、獲物を倒すのに使われた鏃。
縄文時代から弥生時代に移っても使われていた狩りの道具である鏃は時代によって違いが分かりやすい道具の一つ。
縄文時代に比べて弥生時代になると、鏃のサイズが大きくなっています。
これは、人同士の争いが起こった弥生時代で、より殺傷能力が高い武器を必要としていたため。
殺傷能力を高めるためにサイズが大きくなったとされています。
また、大きさだけではなく、その素材にも変化がありました。
弥生時代の中頃まで多かったのが石が素材となったもの。
その他には骨など、様々な素材で作られた鏃が見つかっています。
投弾に使われたのは？
弥生時代に狩りに使われたとされる道具として、投弾に使われたとされているものもあります。
それは土で作られていて、弥生時代の最初の頃にはラグビーボール状の形をしているものが多かったようです。
重さは大体25グラムから30グラム。
ただこの道具、どんな風に使われたのか、その使い方がはっきりわかっているわけではありません。
ひもをかけて獲物に投げ、足を絡ませたのではないか、とみられていますが、まだ詳しいことはわかってはいないのです。
弥生時代から見つかる狩りに使われたとみられる道具は多々あれど、この道具のように、まだ詳しいことがわかっていないものもあるのです。
弓を向ける相手は？
弥生時代、鏃が大きくなっていったのは人同士の争いに原因があるように、武器を向ける相手は食料となる獲物だけではありませんでした。
例えば弓も人に向けて使われたとされる武器の一つ。
割材を使って加工した木弓が人同士の戦いに使われた武器として使われていたと考えられています。
更に、弓といっても木弓だけではなく、より多かったのは丸木弓と呼ばれる弓でした。
このタイプの弓は狩猟用の分は縄文時代と変わらない形のもの。
また、弓は陸上の動物だけではなく、水中の魚を捕まえるためにも使われたと考えられています。
弓は弥生時代の狩りの道具として、陸上、水中の獲物に使える万能の道具だったのです。
弥生時代、狩りの道具は縄文時代から引き続き使われてきたものが目立ちます。
ただ、そのままの形、性能というわけではなく、弥生時代になると素材などが変わるなど、時代による違いが出てくるのです。