弥生時代の住居はなぜ高床式ではなかったか

人が住む住居は時代によってさまざまな形に変化してきました。

住みやすさを追及したり、その土地の環境に合わせた形になっていったり。

現代では様々な資材が手に入り、想像した通りの家が作れるようになった時代ですが、木材を運ぶ手段さえも少なかった弥生時代には一体どんな住居が作られていたのでしょうか。

また、弥生時代では高床式の倉庫があったことが知られていますが、高床式の住居はなかったのでしょうか。

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建物を二種類に分けるなら?

縄文時代の人は堅穴住居と呼ばれる家で生活していました。

そして弥生時代でも、同じように竪穴住居を住まいとして生活していたことがわかっています。

一見同じように思える家事情。

しかし、縄文時代と弥生時代で変わったところもあります。

弥生時代になると、集落の中に高床式の建物が作られるようになっていったのです。

高床式とはその字の通り、床が直接地面と接してはおらず、はしごを使って出入りするような建物でした。

そしてこの高床式の建物は米などの食べ物を保管する貯蔵用の建物として使われていたことがわかっています。

そして、弥生時代で貯蔵用の建物として使われていたために、稲などにネズミが寄り付かないようにネズミ返しなどの害獣予防の仕掛けも設置されていました。

弥生時代で住居として使われた堅穴住居と、倉庫として使われた高床式の建物。

それはどうして倉庫や住居に選ばれたのでしょうか。

高床式は倉庫にピッタリ?

柱を立てることで地面に直接接しない建物であった掘立柱建物の一つ、高床式の建物。

弥生時代には稲などの食料を貯蔵する倉庫として使われた高床式の建物ですが、倉庫として使われたのには理由がありました。

直接地面と接しないため、害獣が予防でき、柱を伝って登ってくるネズミはネズミ返しなどを設置することで寄せ付けないように出来たのです。

更に、湿気が少ない環境で食料を保管できるという利点があったため、高床式の建物は倉庫にピッタリだったのです。

堅穴住居は住みやすい?

では、湿気や害獣も避けることが出来る高床式の建物を弥生時代の人々が倉庫として使い、一般的な人の住居として使わなかったのはなぜだったのでしょうか。

縄文時代から住居として使われてきたのは堅穴住居ですが、その堅穴住居にも高床式に劣らない利点があったのです。

堅穴住居は半地下の建物ですが、その半地下というところがポイント。

半地下にすることで壁になる部分の材料が少なくても建てることが出来たのです。

更に、直接壁が外気に接しないので、湿度や温度が一定に保たれるという利点もありました。

弥生時代に人々が住居としていた堅穴住居にはこんな利点があり、住みやすく、快適な住まいだったのです。

倉庫として使われ、食料を保管するためにピッタリの環境だった高床式の建物、そして人が住みやすいうえ、建てるための資材も少なくて済んだ堅穴住居。

弥生時代に一般の人々が堅穴住居を住まいとして選んだのには、そんな理由があったのです。

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