弥生時代に木製農具が見つかった遺跡とは

縄文時代や弥生時代の頃の事など、文字で書かれた資料が少ない時代の事を知るには、遺跡を調べることがとても大事です。

遺跡から見つかる道具の一つが農具です。

弥生時代では農具は木を材料として作られていたことが多かったので、木製農具が遺跡からよく発見されます。

では、木製農具が見つかった遺跡からはどんなものが見つかったのでしょうか。

そしてそれらの遺跡から見つかる木製農具でわかる弥生時代の人々の姿とは?

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お勧めの材木は?

弥生時代の人々の生活に農具は欠かせないものでした。

当時の遺跡からは多くの木製農具が見つかっています。

その木製農具を調べることで、弥生時代の人々は木を材料として農具を作るとき、その用途に合わせて材料となる材木を選んでいたことがわかっています。

例えば、湿田を耕さなければならないとき、弥生時代の人々は両手鍬、二又鍬という農具を使っていました。

この両手鍬、二又鍬も弥生時代の遺跡から発見される木製農具です。

そして耕すためには通常の土地以上に力やコツが必要な湿田で使われたこれらの木製農具はアカガシ、イチイガシ、シラカシなどの木を材料として作られていました。

これらの木はどれも木の中でも固く、丈夫な木材です。

弥生時代の人々は使う目的、場所によって木製農具を作るとき、それにぴったりの木材を材料として作っていたのです。

いわば、弥生時代の人々は木製農具づくりのエキスパートだったのです。

代表的な農具

弥生時代の遺跡から数多く見つかる道具。

その農具も、木製農具以外にも石でできたものが見つかっていたりなど、その種類も材料もさまざま。

特に、稲作が始まった弥生時代の道具としては石でできた石包丁がよく知られています。

しかし、この石包丁、近畿地方では木で作られた木製包丁も遺跡から出土しているのです。

通常石で作られていた道具すら木で作るなど、弥生時代では木がとても重宝されていたのです。

そんな弥生時代の木製農具としては、耕作に使われる鋤や鍬、更に水田の表面をならすための農具であるえぶり、同じく水田で作業するときに足が沈むのを防ぐ田下駄などがあげられます。

耕作に使う以外にも、稲を収穫し、脱穀するときには杵や臼が使われました。

木製農具は、弥生時代の人々の生活には欠かせないものだったのです。

有名な遺跡2つ

では、そんな木製農具がたくさん発見された遺跡にはどんなところがあげられるでしょうか。

その一つが奈良の唐古・鍵遺跡です。

ここは大集落の遺跡であり、土器や石器、沢山の木器が発見された遺跡です。

この遺跡を調べて初めて、木製の鍬、鋤などが弥生時代に使われていたことがわかったのです。

同じく木製品が大量に発見された遺跡には登呂遺跡があります。

この遺跡は水田跡と集落がある弥生時代の典型的な遺跡です。

ここは弥生時代の終わりごろに作られ、使われていた木製品を中心に、多くの遺物が発見された遺跡なのです。

当時の遺跡から見つかる木製農具などを調べていくと、弥生時代の人々がその用途に合わせ、必要となる道具の多くを木で作っていたことがわかります。

弥生時代の人々は木で道具を作るエキスパートだったのです。

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