人類の発展に欠かせなかった発明品などはたくさんありますが、「火」というものの存在も人類の発展を助けてきました。
例えば、弥生時代には稲作が始まり、米が食べられるようになりましたが、その米を料理して食べるためにも火は欠かせないものだったのです。
しかし、ガスコンロもない時代、その火はどうやって起こしていたのでしょうか。
火起こしは縄文時代でも?
稲作が始まった弥生時代、火は収穫した米を炊くのに必ず必要なものでした。
更に、米以外にも様々な食材を調理するのに火は欠かせません。
そのため、火起こしの技術は弥生時代にはすでに存在していました。
すでに縄文時代の時には火起こしの技術があったとされているのです。
弥生時代に使われていた人為的な火起こしの方法はキリモミ法といわれるもの。
それはどんな方法だったのでしょうか。
キリモミ法とは?
弥生時代の火起こし方法として使われていたキリモミ法という方法。
これは、木板の上に棒をたて、その棒を手に挟んで回転させることで火を起こす、摩擦熱を利用した方法でした。
この火起こしの方法は弥生時代だけではなく、縄文時代にも使われていました。
北海道小樽市の忍路土場遺跡や石川県真脇遺跡などからこのキリモミ法に使われた道具が発見されているのです。
火起こしに使われる道具
弥生時代だけではなく、縄文時代にも行われていた火起こしの方法、キリモミ法。
板を棒で摩擦し、火を起こすため、板や棒などの道具が必要になってきます。
キリモミ法に使われるその板は臼と呼ばれ、棒の方は火きり棒、または火きり杵と呼ばれます。
これらの火起こしに使われた道具が縄文時代や弥生時代に人々が住んでいた集落の遺跡から見つかることで、当時これらの道具を使ったキリモミ法で火起こしをしていたことがわかったのです。
他の方法も使われていた?
縄文時代と弥生時代を通して日本で使われていた火起こしの技術。
当時の人々は火起こしをするときに摩擦熱を利用するキリモミ法を使っていたことがわかっています。
しかし、実は一時期、もう一つの火起こしの方法も使われていたという説がありました。
弥生時代に使われていたとされたキリモミ法ではない火起こしの方法は舞ぎり法といいます。
これは火きり棒の下の部分に回転板をつけて重りとし、火きり板にはひもを付けた棒を通します。
それを動かすことで火きり棒を回転させる動きに変え、キリモミ法と同じく摩擦熱を利用して火起こしをする方法です。
弥生時代にこの方法がすでに使われていたというのは登呂遺跡を調査した時に、舞ぎり法で使う棒に似た形の木片が発見されたことで起こった説でした。
しかし、今ではその舞ぎり法は江戸中期から使われ始めたとされています。
弥生時代にはすでにあった火起こし法。
摩擦熱を利用し、人力で火を起こす火起こしの技術は、弥生時代だけではなく、縄文時代からも使われていた技術なのです。