史料に乏しい弥生時代。
当時の人々の暮らしや生活環境を知るには、弥生時代の遺跡を調べたりすることが重要になってきます。
なかでも、弥生時代の墓は様々な種類や大きさがあり、その時代の中で墓に関する考え方などが大きく変わっていったことがわかる貴重な史料となっています。
そんな墓から見つかる副葬品も同じこと。
では、弥生時代の副葬品にはいったいどんなものがあったのでしょうか。
初めて見つかった副葬品
墓の中に一緒に入れられる副葬品。
弥生時代の墓からは多くの副葬品が見つかります。
しかし、一方で縄文時代で副葬品が見つかることはありません。
それもそのはず、墓の中に一緒に入れられる副葬品は弥生時代になって初めて見つかり始めたものなのです。
縄文時代を過ぎて弥生時代に入るまで、副葬品という考え方はなかったのです。
そして、弥生時代になってから初めて様々な副葬品が見つかるようになります。
よく見つかる副葬品とは
弥生時代の墓から初めて見つかりはじめた副葬品。
そんな弥生時代の副葬品は様々。
例えば銅剣など、大量の武器が副葬品として見つかることもあります。
武器だけではなく、ガラスや絹、匂玉など。
貝で作られた腕輪などのアクセサリーも見つかっています。
それらの品が副葬品として見つかる定番の品ですが、よく見てみると弥生時代の一般の人にはあまり持てなかったものが多くあることに気付きます。
例えば匂玉。
メノウやヒスイが原料になっているものが見つかっていますが、ヒスイなどは船舶品であり、弥生時代には高級品であったために持てる人が限られる品でした。
そのことからも読み取れるように、弥生時代になって見つかり始めた副葬品とは、ある程度高い地位にいた人の墓からよく見つかるものなのです。
副葬品が多く見つかる墓
弥生時代、墓の種類が多く、作りも変化していきました。
弥生時代の終わりに差し掛かると、高い地位の人を埋葬した墳丘墓がつくられるようになり、のちの古墳時代につながっていくのです。
そうした高い地位の人を埋葬している墳丘墓などからは多くの副葬品が見つかっています。
その中でも、特に多くの副葬品が見つかる墓があります。
それが、いわゆる王墓です。
その集落をまとめる役割を担っていたような地位にいた人物のお墓だと考えられており、その墓の規模も大きく、多くの副葬品も見つかることが多い弥生時代の墓です。
その墓からは副葬品の定番である大量の武器やガラス、匂玉などが見つかります。
特に船舶品で貴重なものである匂玉などはそれを持っているだけでその人がどんなに高い地位であるかがわかるものです。
弥生時代には、それらの副葬品や大きく作られた墳丘墓で、どれほど高い地位にいた人物が埋葬されているのかをアピールしているのです。