調査が続き、弥生時代や縄文時代など、十分な資料のない時代の暮らしがわかりつつある現代。
しかし、調査が進んでもなかなかわからないところもあります。
そんな調査でまだわかっていないことが多い弥生時代の謎のひとつが娯楽です。
一体弥生時代の人々はどんな娯楽を好んでいたのでしょうか。
弥生時代の頃の娯楽って?
縄文時代、そして弥生時代の頃は文字の資料などが乏しく、なかなか人々の暮らしを知ることが出来ません。
しかし、現在までの調査によってどんなことをして暮らしていたのかは大分わかりつつあります。
しかし、そのなかでも娯楽についてはわかっていないことの一つ。
弥生時代の人々がどんな娯楽を楽しんでいたのかはいまだにわかってはいないのです。
ただ、手掛かりとして他の国から見た弥生時代の日本についての記述や遺跡から発見されるものから当時の娯楽について迫っていくことが出来ます。
音楽を奏でる人々がいた?
弥生時代は、縄文時代に伝来した稲作が日本各地に広まり、人口が急激に増えた時代でした。
稲作が一つのキーワードとなった弥生時代の四季の暮らしの中で、特に重要なことの一つが豊穣を祈る祭祀だったと考えられています。
弥生時代の人々にとって祭祀は重要なイベント。
そんな祭祀の場では楽器を使って音楽が奏でられていたとされています。
そして、祭祀で使われた楽器をはじめ、弥生時代の楽器は種類も徐々に増えていきました。
祭祀の時以外でも、弥生時代の人々は楽器を作り出し奏でていたと考えられているのです。
そのことから、弥生時代の人々にとって、楽器をひくことは娯楽の一つだったのかもしれません。
その弥生時代に使われていた楽器は琴や土笛など。
種類ごとに異なった音色を奏で、楽しんでいたのです。
日本の人々はお酒好き?
また、弥生時代の人々にとって、お酒を飲むことも楽しみの一つ、つまり娯楽の一つだったといえます。
弥生時代の邪馬台国などの様子や自然環境を記した中国の歴史書、『魏志』倭人伝では、日本の人々とお酒について書かれている箇所があります。
その記述を見ると、弥生時代の人々がお酒を飲むのは人が亡くなった時、そして集会などの集まりのあとだと受け取れる部分があるのです。
弥生時代の集会が終わった後などに弥生時代の人々が酒を娯楽の一つとして飲み、楽しんでいた可能性がここから読み取れるのです。
文字で書かれた資料が少ない分、なかなか浮かび上がってこない弥生時代の人々の暮らし。
しかし、その中でも数少ない資料と今までの調査でわかっている事柄を組み合わせることで、弥生時代の人々が日々、または四季を過ごす中でどんなことを行い、どんな生活をしていたのかがわかってきます。
弥生時代の人々の娯楽もそうやっていると見えてくるものの一つなのです。