食料採取の時代だった縄文時代が弥生時代に変わり、人々が食料を自分たちで育てる農耕の時代が本格的にやってきました。
そんな弥生時代の農耕といえば、各地に稲作が広まっていったことがよく知られています。
では、稲作を始めた以外では、弥生時代の農耕にはどんな特徴がみられるのでしょうか。
育てられていたものとは?
弥生時代では日本の農耕の歴史では稲作が始まった時代として有名です。
しかし、他にも人々によって育てられていた作物もあります。
例えば大豆、小豆、大根やニンニク、スイカにマクワウリなど。
稲の他にも様々な作物が海を越えて弥生時代にやってきたこともあり、現代でも食べられている様々な作物が育てられ始めていたことがわかります。
弥生時代の農耕の特徴は稲作だけではなく、それらの作物が育てられ始めたことなのです。
農具の材料が変わった?
様々な作物を育て始めたことが弥生時代の農耕の特徴ですが、弥生時代の農耕の変化はその時に使われる道具にも見られます。
弥生時代に入ると、鉄器が少しずつ普及したため、それまで木や石を材料として作られることが多かった農具が鉄で作られるようになっていったのです。
特に弥生時代の後期にその特徴が見て取れます。
例えば、石で作られた石包丁で稲を収穫していたのがその石包丁の代わりに鉄鎌が使われるなどの変化がみられるのです。
更に、鋤に鍬など、農耕に欠かせない道具はより丈夫で、より簡単に田畑を耕すことが出来る鉄器へと変わっていったのです。
水田づくりの工夫とは?
弥生時代の農耕の代表作である稲作。
弥生時代の初めは籾を直播きしていたのが終わりごろには田植えに変化したり。
木製の農具が徐々に鉄器に代わっていったり。
変わっていったのはそれだけではありません。
稲を育てるのに必要な田んぼにも弥生時代の特徴があります。
当時の水田は、地下の水位が高いため水を抜く必要があった湿田だけではなく、地下水位が低いという理由で灌漑施設や排水施設が必要とされた乾田も作られるようになっていきました。
この灌漑施設などを利用し、人工的に水をひけるようになるなど、弥生時代の農耕はかなり高度な水田づくりを行っていたことがわかります。
例えば、福岡県にある板付遺跡や菜畑遺跡などの水田跡には水位を調整できる井堰や水路を備えていたことがわかります。
弥生時代には稲を育てるための水田を作るにしても、様々な工夫が凝らされた技術が必要とされていたのです。
海を越えて稲が日本に伝わり、稲作が徐々に広まっていった弥生時代ですが、その弥生時代の農耕の特徴はただ稲を育てるようになったことだけではありませんでした。
他にも様々な作物を育て、その作物を育てる田畑にも工夫を凝らしていた技術があったことが弥生時代の農耕の特徴なのです。